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店舗リフォームのツール

また、極薄の階段は、白と黒の色使いが印象的で、まるでエッシャーの絵のようだ。 実際、写真を逆さまにひっくり返して見ても、それほど違和感がない。
そういえば、R・Bが『H徴のT』において、日本建築の室内写真を上下反対にしてもわからないと指摘していた。 西洋建築とは違い、家具、絵画、彫刻などがなく、ほとんど線のみで構成されていることから、抽象的な印象を与えるからだろう。
WHもそうした性質をもつ。 ともあれ、もう少し家具や雑貨が入るにせよ、生活がいかにして成立するのだろうかという興味から案内してもらった。

ちょうどプレ・オープンだったAの設計による北大路のV・K(和風の居酒屋を木と銀のカフェにリノベーションしたもの)に続いて、事務所(これもリノベーションもの)に立ち寄り、最後にWHへ・壁にGの「E史」のチラシが貼ってあり、さすがA(これもGの映画タイトル)と命名しただけのことはある。 Gに関しては、T口が京都大に在籍時、A田彰の勉強会や上映会に顔を出していたという。
さて、K泉雅生のAノイエと同様、明記されていないのだが、WHも実は建築家の自邸だった。 かつてなら、塔の家やスカイハウスのように、高らかに主張したのだが、あえて言わないというのは、現在的な感覚かもしれない。

だが、やはりWHも、Aノイエのように、そうでないと実現しえない実験的な性格をもつ。 例えば、自邸から歩いて数分しか離れていない事務所は、共働きのT口・Y本夫妻のワーキング・スペースであり、そこに仕事関係の書籍や資料を収納できることは無視できない。
かくしてWHから書斎的な場を省くことが可能になる。 ある意味では、いずれも自作のWHと事務所のプログラムは、相互補完的な関係を結んでいるといえよう。
いささか種明かしのような書き方になったが、その分、WHがめざした空間や形式の実験がより純粋に遂行されているのだ。 普通の家屋や電信柱といういかにも日本的な風景に囲まれ、WHの外観は家のように見えない.フロアごとの小窓はなく、地表から頂部まで、スリットのような開口部が垂直に走る。
ビル、あるいは倉庫?特にM側の正面は、無表情な壁が立ちはだかり、控えめな扉がひとつあるのみ。 郵便受けもすぐにはわからない。


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